白茶日記

きまぐれに。



インフィニティ的視点からのグリップレビュー :: 2017/08/18(Fri)

 本記事ではペンの改造に用いるグリップをインフィニティとの相性という観点からレビューする。
あくまでインフィニティに関係する要素のみを論ずるものである。カラーバリエーションや価格、希少さなどは本記事の扱うところでない。そのような情報については他のペン紹介サイトを参照してほしい。

 以下では各グリップの特徴を「粘り気」「硬さ」「太さ」という3要素に分けて分析する。また、筆者自身が長期間使い込んだ経験のあるグリップに関しては経年変化についても言及する。右矢印「→」は使い込みによる状態の変化を表す。

 各要素の記述には「柔らかい」「やや細い」等の感覚的な表現を用いている。これはグリップに備わる特徴を客観的に数値化、言語化することが不可能であるためだけでなく、あえて主観的な表現を用いることで筆者自身の指の感覚を描写するためでもある。よって本記事はあくまで一スピナーとしての所感に過ぎない。どうかインフィニストの総意とは捉えないでほしい。



 ※記事内で使用する画像はすべて「ペンたちの集会所」様からお借りしています。本記事の執筆にあたり画像の使用を快諾してくださったponkotu様に改めて感謝の意を表します。


○HGG、HF

HGG.jpg

・粘り気:やや滑る→やや粘る
・硬さ:普通
・太さ:細い

 インフィFSに用いるグリップとしては最もメジャーである。過去のインフィニストを見てもこのグリップの使用率が圧倒的に高い。インフィニストに人気のVP、サンバと相性が良いという改造上の都合もあるだろう。
 しかし、メジャーな割に使いこなすのはなかなか難しいように感じる。グリップ自体が細身であるため、この細さに慣れないとピボットがしにくい。逆に言えば、このグリップで練習すれば他のどんな太さのグリップにも対応できるだろう。

 また、恐らく経年変化が最も著しいグリップである。初めのうちは粘り気が弱く滑りやすいが、使い込むほどにインフィニティに適した手触りに進化していく。この使い込みによる成長がHGG、HFの一つの大きな魅力である。
 使い始めて2、3年ほどでピークを迎え、それ以降は次第に脆くなり、最終的には千切れる。表面の凹凸が完全に磨滅した例もある。やや素材の耐久性が低いのかもしれない。

 確証は持てないが、色によって質感が異なるという説もある。自身の経験上、白HGGは他と比べてやや特殊で、使い込むと独特のぬるぬる感が生じるようである。他の色に関して差異があるかどうかは定かでない。


○Very楽ボ

楽ボ

・粘り気:やや粘る→粘る (or滑る)
・硬さ:柔らかい
・太さ:普通

 HGG、HFに次いで人気があるグリップ。HGGに比べると少し太めで安心感がある。使い始めから粘り気が強く、柔らかいので指にフィットしやすい。ビギナーから上級者まで幅広い層にオススメできるグリップである。

 使い込むにつれて質感は少しずつ変わっていく。2、3か月ほど使い込むと初めより若干粘り気が増すようである。湿度の高い時期は少し粘りすぎるように感じることもあるが、概ね許容範囲である。
 1、2年使い込むとさらに状態が変化することがある。2、3か月時点での粘り気をキープすることもあるが、さらに粘り気が増してインフィニティには適さない質感になったり、逆に、表面がツルツルになって滑りやすくなってしまうこともある。特にツルツルになってしまった場合、そこから元の質感に戻すことは難しい。
 なぜこのような現象が起きるのかは分からないが、恐らくグリップに触れない期間が長くなると良くないのだろう。一つのグリップを馴染ませたいのなら毎日同じペンに触れる必要がある。

 楽ボの場合、使いにくくなったら新しいものと交換してしまうのが良い。楽ボは使い始めからある程度粘り気があるので、買い替えることにあまり抵抗を感じる必要は無い。


○AnyBall

エニボ

・粘り気:やや粘る→粘りすぎ
・硬さ:やや柔らかい
・太さ:普通

 使い始めの手触りは楽ボに近い。適度な粘り気があり、柔らかいため指によくフィットする。
 しかし、このグリップは2、3か月使用すると粘り気が大幅に増してしまう。ベタベタとした感触が出てくるため、筆者にはあまり使いやすいと思えない。もちろん好みによるところが大きいので、粘り気が強い方が好みだという方は試してみるといいと思う。
 また、筆者が試したのは黒だけなので、他の色では状況が違うのかもしれない。何にしても使用者が少ないのであまり定かなことは言えない。使い始めの質感をキープ出来たら理想的なのだが…


○ハイパージェル

ハパジェル

・粘り気:やや滑る→普通
・硬さ:やや硬い
・太さ:やや細い

 これまでに紹介したグリップと比べると素材が硬質である。楽ボ、エニボ等のふわふわとした質感とは対称的で、指に沿う感覚はあまり無い。硬い手触りが好みの人には良いだろう。
 使い始めは粘り気が弱いが、半年ほどの使い込みである程度の粘りを持つようになる。それでもHGGのピーク時や楽ボと比べると滑りやすく、向き不向きが分かれそうなグリップである。 
 
 余談だが、筆者が今一番気に入っているグリップでもある。長年楽ボを使ってきた反動か、最近は硬めのグリップが指に心地よい。


○シグノ

シグノ

・粘り気:滑る→普通
・硬さ:やや硬い
・太さ:太い

 HGGやハパジェルに比べて短くて太い。VPやサンバにそのまま付けることができないので改造に工夫が必要である。G3の改造に用いる方が一般的だろうか。

 他のグリップに比べ粘り気が弱い。よく滑るため使い始めはほとんど指が引っかからないかもしれない。使い続けると並みの粘り気になるが、ある程度根気が必要である。
 シグノの利点としてその太さが挙げられる。これまでに紹介したグリップと比べると一回り太く、ピボットに不慣れな人にとっては少し掴みやすいかもしれない。また、計算ペンのペン先部分のように、他の細いグリップの上からシグノを被せるように改造するともう一回り太くできる。同じことはHGG、HFやハパジェル等の細身のグリップでは難しいだろう。


○スーパーグリップ(透明)

透明スパグリ

・粘り気:普通
・硬さ:やや硬め
・太さ:普通

 表面はある程度の粘り気があるのだが、素材が硬いせいかあまり指に食いつく感触がない。HGGや楽ボに慣れている人が使うと指からすっぽ抜けることが多い。
 質感とは直接関係ないが、このグリップは長期間使い続けると必ず黄色く変色してしまう。グリップを触り続けるインフィニストにとってこの問題は不可避である。


○スーパーグリップ(色付き)

(画像無し)

・粘り気:やや滑る→普通?
・硬さ:やや硬い
・太さ:普通

 上で紹介した透明のものと同形だが素材が異なっている。こちらの方が滑りやすい上に硬い。そのままの形で使い込んだ経験が無いので確かなことは言えないが、少なくとも使い始めの段階ではインフィニティに不向きなようである。
 筆者は切断したものをコムサに付けて使っているが、購入時より若干サラサラ感が薄れたように感じる。使い込んだシグノに近い。長期間使えばある程度馴染むのかもしれない。


○スーパーグリップ(2020)

(画像無し)

・粘り気:粘りすぎ
・硬さ:とても柔らかい
・太さ:普通

 上二つとは形状も素材も異なっている。これまで紹介したどのグリップよりも粘り気が強く柔らかい。毒栗のグリップを細身にしたらこんな感じだろうか。
 粘り気が強すぎてあまりインフィニティには向かないように感じる。グリップが粘りすぎていると突っかかりやすくなったり、見るからにベタベタとした雰囲気の回しになったりする。
 非インフィニストには誤解されがちだが、グリップは粘れば良いというものではない。適度な粘り気のものに指を慣らす方がはるかに良い。


○G2

G2.jpg

・粘り気:やや滑る→普通
・硬さ:硬い
・太さ:やや太い

 見た目は色付きのスパグリによく似ており、質感も近い。スパグリより太く、こちらのほうが若干滑りやすい。
 長期間使い込んでも目立った粘りは生じないが、初期の状態よりは滑りにくくなる。素材自体が硬いので、表面だけが指に吸い付くような独特の質感になる。形状がやや凸凹しているので、HGG、HF等に慣れた人は違和感を感じるかもしれない。
 

○HGR

HGR.jpg

・粘り気:やや滑る→やや粘る
・硬さ:普通
・太さ:やや細め

 使い始めは触り心地がサラサラとしているが、少し使うとある程度滑りにくくなる。さらに使い込むと粘り気が出てくるのだが、その感触がどうもネバネバしており、筆者は個人的にあまり受け付けない。材質があまり柔らかくないので、表面だけ粘り気があってもイマイチグリップ感が薄いように感じる。かなり好みが分かれそうなグリップ。



 以上でレビューを終える。
 グリップの種類は多いが、インフィニティに適したものを探すと意外と数は多くない。色々なものを試した結果、結局HGGや楽ボ等の有名どころに落ち着くのかもしれない。
 近年の新商品には疎いので、記事で取り上げなかった良いグリップがあれば、コメント欄でご教示いただけると幸いである。

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