白茶日記

きまぐれに。



Japan Cupを終えて :: 2018/08/16(Thu)

日本ペン回し界初の試みである団体戦は旋技研の優勝で幕を閉じた。
振り返ってみれば番狂わせあり、覚醒ありと見どころ満載の良い大会になったと思う。

今回僕は一般の部第二試合の審査員を務めた。これまでの大会はすべて参加者側であったため、反対側から大会を見るのは新鮮な体験であった。

Japan Cupは来年以降も主催者を変えながら継続していくことになる。
自身の考えを記録するために、また、今後の大会運営に寄与することを期待して、審査を通じて感じたことを書き留めておく。


○きっかけ

4月半ばに苔死さんから審査員の話を持ち掛けられ、二つ返事で引き受けた。
他ならぬ苔死さんの頼みである。断る理由がない。
イベントを魅力的に仕立てることに関して、僕は彼に全幅の信頼を寄せている。

大会の審査をすることに興味を持っていたというのもある。「講評」という形で自分の価値観を表現してみたかったからだ。
かねてからブログやツイッターにFSの感想・評価を書いてきたが、大会の講評となれば人目に触れる機会も増えるだろうし、自身の経験と関心が役に立つなら何よりだと思った。

一人の審査員が一つの試合の全責任を負うという形式は、以前苔死さんから聞いていたのか、あるいは自分で思いついていたのか、とにかく既に頭の中にあったものだった。
価値観の異なる複数の審査員の結果を均すより、信頼できる個人に一任したほうが一貫した結果が得られるだろうという考えである。
ただ、その審査員を自分が務めるとは思っておらず、改めて責任重大だなと思った。


○講評について

予選以外は動画に得点を付けることなく結果を発表する。したがって、何より重要となるのは講評の内容である。
少しでも説得力のある文章になるよう、提出された動画を何度も見直し、時間をかけて丁寧に書き上げた。

その際に気を付けたのは、「上手い」「凄い」「完成度が高い」といったスピナーが頼りがちな曖昧な表現を極力排することである。
これらの言い回しは互いに共有された価値観を前提とするものであり、その価値観を持たない人たちにとっては理解しがたいものである。
大会の審査員として一人でも多くの人たちに僕の考えを理解してもらえるよう、講評は詳細に、具体的に記述するよう心掛けた。

ちなみに、審査基準は普段の僕のFS観そのままである。初めに公開した「審査のポイント」は僕の価値観を正確に反映している。


○審査に対する反応について

ペン回しの大会において、審査に対する不満が噴出するのは常である。
これはペン回しの評価が最終的には主観に委ねられるために仕方のないことである。
そのため、今回も講評に対する異論、反論が投げかけられることはある程度覚悟していた。

しかし、いざ蓋を開けてみると審査員への不平は見当たらず、逆に驚かせられた。
参加者が大人だったのか、あるいは本当に審査内容に納得できたのだろうか。

上記の通りペン回しの評価はつまるところ主観なのだから、僕としてはある程度議論が巻き起こるほうがむしろ健全であるように思う。
結果に納得していない人、講評の内容が理解できない人は今からでも聞いてほしい。僕が考えたことはすべて包み隠さずお伝えするつもりでいる。


○第一、第三試合の動画

自分が審査を担当しなかった動画の中で特に気に入っているものを以下に挙げる。

・一回戦第三試合 ennisさん
非常によく練られた見ごたえのあるFS。順回転のコンボを主体に、3秒、5秒での切り返しを経て締めに向かう組み立てにまとまりを感じる。締め直前の手の甲に乗せるような動きはインパクトが強く、回転方向を統一した流れの中でも見せ場として際立っている。

・一回戦第三試合 Sonodaさん
3秒の24で持つフェイクトソニック、5-7秒のノーマルからカージオイドリバースまでの流れ、9-11秒の締めの流れなど視覚的に印象に残る動きが多い。技のバランスと切り返しのタイミングに意識を払いつつ、締めに向かう流れを最大の見せ場とする組み立てに高い構成力を感じる。

・準決勝第一試合 Malimoさん
個々のコンボが魅力的であるだけでなく、各コンボが自然な流れの中で結び付けられており、どこを取っても非の打ち所がない。特に締めのエアスピ→インデックススピンはそこまでの高難度の流れを上回るインパクトがあり、FSの終結部にふさわしい。

・決勝第三試合 Menowa*さん
初心者が夢想したようなアイディアを現実のものにしてしまう圧倒的な技術力。これだけ変則的な技を入れながらも綺麗にFSとして仕上げている。やはりFSにテーマ性を持たせることに関しては頭一つ抜けているように感じる。


○最後に

ツイッターでも度々言っていたが、一スピナーとしてやはり出場してみたかったという思いはある。
しかし、審査員としての仕事は当初想像していた以上に面白いもので、これはこれで良い経験ができたと思っている。
何より、自分の経験や能力が誰かの役に立つとなればスピナー冥利に尽きるというものだ。

大会を運営してくださったJEB管理人のyngsさん、Poroeさん、そして、この素晴らしいイベントを企画してくれた苔死さんには改めて感謝の意を表したい。

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